--この病気で、特に術後が一番つらかったと思うのですが、それによって自己イメージというものに大きな影響を及ぼしたとお考えですか
そういうふうな考え方をしたことがないのでよくわからないのですが、この病気をするまでは、特に大きな病気もしなかったし、社会生活の中で大きな挫折とかも味わったことがなかったので、そういうことを経験したことがなかったのでいわゆる、順調に生きてきたというか大きなトラブルもなく生活してきましたので、そういう意味ではちょっと考え方が変わったかなという部分はあるかもしれません。
--変わったというのはどういう点ですか。
やっぱり、人生いろんなことが起こるんだなということですね。確かに手術というのは大変な、辛いことだったのですが、その病気をしたことによって、それまで平均的な日本人と同じで、所謂会社人間でしたから、会社の生活がほとんどだったのですが、病気をしたことによって、一時家にいる時間があったり、その時にマンションの人たちと交流ができたり、一番大きなのは患者会という、今まで経験したことのない組織というか人間関係ができたりしたことです。そしてその患者会を通してさらに色んなところで色んな人と繋がりができたりしました。また、大学の医療政策人材養成講座というのがあって、それが患者会に案内がきまして、それをたまたま見つけて、その大学の公開講座に1年間通って、医療政策の勉強をしたりしました。それは一クラス50人くらいの講座ですが、私が病気をしなかったら絶対付き合いのなかったような人たち、お医者さんだとか医療ジャーナリストだとかそういう人たちと1年間共同研究をすることによって色んな人たちと知り合うことができました。病気は確かに辛かったけれどその後の事を考えると、プラスマイナス、若干プラスかなというような感じはあります。
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